がんQ&Aシリーズ 31
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平成26年5月から平成30年3月までテレビ埼玉で放送されていた「連続テレビセミナー がんQ&Aシリーズ」のがんセンター医師等出演分を配信するもの。

ーーー以下、動画字幕ーーー
○司会 がんは内臓や骨、そして血液など、私たちの体のさまざまなところにできます。そして、皮膚にもできるんです。
 では、皮膚がんというのは、どういったがんなのでしょうか。
 今回は、埼玉県立がんセンター皮膚科の石川雅士さんにお話を伺います。
 石川先生、よろしくお願いいたします。

○石川 よろしくお願いいたします。

○司会 私たちは、頭のてっぺんから足の先までずっと皮膚におおわれていますが、皮膚がんというのはどこにできる、どんながんなのでしょうか。

○石川 皮膚から発生するがんを総称して皮膚がんと呼んでいます。皮膚がんと呼ばれるものには、基底細胞がん、有棘細胞がん、有棘細胞がんの上皮内がんである日光角化症、そしてメラノーマとも呼ばれる悪性黒色腫などがあります。また、高齢者に多く見られる乳房外パジェット病などもあります。
 できる場所は、皮膚がある全身のどこでも可能性はありますが、がんの種類によってできやすい場所があります。基底細胞がんは、顔に多く発生します。日光角化症は、文字どおり紫外線の影響を受ける顔、頭、手背などに多く発生します。乳房外パジェット病は、高齢者の外陰部に多くできます。

○司会 私たちが皮膚がんと呼んでいるものは、実際にはいろいろな種類のがんの、それをまとめて皮膚がんと言っているだけで、その一つ一つの種類はそれぞれできやすい場所というのがあるんですね。

○石川 はい。

○司会 皮膚にできるがんですから、目で見ることができますよね。どんなふうになるんでしょうか。

○石川 自分で気づくことができると同時に、ほくろや発疹、水虫などと思い込んでいたものが、実はがんであったということもありますので注意が必要です。
 基底細胞がんは顔に多く見られ、黒色腫を伴った小さな盛り上がりや、周りに小さな黒色点を伴った境界がはっきりした赤みなど、幾つかの形態が見られます。
 日光角化症は顔に多く見られ、境界が不明瞭な大きさ1センチ程度の赤みで、表面が粉を吹いたりかさかさしている所見です。タイプによっては、角状に突起していることもあります。
 悪性黒色腫は左右非対称、不規則な形をし、濃淡があったり、赤っぽいところや青色、灰色に見えたりと色調に規則性がなく、黒いほくろのような所見です。
 乳房外パジェット病は高齢者に多く見られ、薄い赤みがかった曲面で、湿疹との鑑別が難しいこともあります。色が白く抜けたり、じゅくじゅくしたりすることもあります。

○司会 見た目がほくろと似たものがありますが、ほくろが進行してがんになるということはないのでしょうか。

○石川 ほくろは良性で、がんになることはありません。ただし、長い間ほくろと思っていたものが実はがんであったり、ほくろと隣接してがんが発生することはあります。見た目で自己判断しないことが大切です。

○司会 心配な症状がある場合は、どうしたらいいでしょうか。

○石川 できものと簡単に考えて、自己判断でやり過ごしたり、軟膏などを塗って様子を見たりする人も多いですが、よくならない場合は皮膚科を受診してほしいです。皮膚科では、肉眼的に見ると同時に、ダーモスコープという専用の器械を用いて病変を詳細に調べます。

○司会 ダーモスコープというのは、これは今こちらに持ってきていただいているのがそうですよね。

○石川 はい。

○司会 どのように使うのでしょうか。

○石川 病変のところをこのように近づけて、のぞいて見ていきます。

○司会 それは、病変が拡大して見えるんですか。

○石川 はい。それで、病変の詳細をこれで見ることでわかります。さらに皮膚の組織をとって顕微鏡で調べる生検を行って、がんかどうか、どの種類のがんであるかを確定診断していきます。

○司会 まず、見た目で見て、そして拡大して見て、そこから細胞をとって顕微鏡で見て、がんと診断されるわけですね。

○石川 はい。

○司会 がんと診断されたら、どのような治療になるのでしょうか。

○石川 早期がんであれば、外来で治療することも可能です。治療成績もよいです。早期がんである日光角化症は、外用薬で治療することもあります。がんの治療は、十分に切除する手術が第1選択となります。ただし、例えば下唇など、場所によっては放射線治療などが第1選択となることもあります。内臓に転移している場合は化学利用法、抗がん剤治療が中心となります。

○司会 皮膚がんというのは、なる人は、どちらかといえば少ないがんだとは思うんですが、それでも、私たち、日ごろから気をつけられることというのはありますか。

○石川 はい。進行した皮膚がんは直接生命にかかわり合ってくるため、早期発見のためにも皮膚症状の変化を見逃さないようにしてほしいです。自己判断はせず、皮膚科医の診察を受けることが大切です。また、紫外線の影響は明らかであります。レジャーやプール、日常生活でも日焼けどめを使用したほうがよいでしょう。

○司会 先ほど見た目の写真を見せていただきましたけれども、しみかなとか、ほくろかなと思って、余り大したことないと思いがちですが、やっぱりそういうときでもきちんと変化に気づいて、専門医にかかるということが大切ですね。

○石川 はい。

○司会 きょうは皮膚がんについて、埼玉県立がんセンター皮膚科の石川雅士さんにお話を伺いました。
 先生、どうもありがとうございました。

○石川 ありがとうございました。

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